1594人が本棚に入れています
本棚に追加
「……その情報はどこから?」
「……本人」
篠田が電話中かけていた眼鏡を外した。
反撃のサインにゾクゾクしながら、さらに煽る。
「実はね、たまに電話くれるの」
「俺に内緒で?」
「今言ったわよ」
首筋に吸い付いた彼の背中を叩きながら、流される前に言いたいことを並べた。
「だって!篠田、あの子のこと、あまり私に説明してくれないじゃない!課長が教えてくれるのよ」
「あの子って高木まどかですか」
「フルネームで呼ばないで!」
私のことはめったに美紀って呼んでくれないくせに!
「あの時って何?
聞かれちゃまずいって何よ?」
「少し前に、彼女の指導で夜遅くなった時ありましたよね」
「……」
彼女は篠田と二人きりになろうと、しょっちゅう残業時間に特別授業を請うらしい。これは深沢さん情報。
「あの時、課長が俺の携帯に電話したら彼女が出たらしいんです。夜中だったし彼女の言動が思わせ振りだったんで課長……いてっ」
篠田の背中を思い切りつねってやった。
最初のコメントを投稿しよう!