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「彼は今シャワー浴びてますとかじゃないでしょうね!」
「そんな訳ないじゃないですか!
課長によると、席に電話しても不在で携帯にかけたって経緯があったから、てっきりそうかと思い込んだらしいです
「二人でどこにいたの?」
「ミーティングルームですよ。電話はたぶん俺がコーヒーを買いに出た時だと思います。高木とは歓迎会以外で飲んだこともありません」
「……でも、あまり二人きりにならないで」
「当然ですが、部下って以外、何の感情も興味もないですよ」
篠田が私の膨れた頬を指でプスッと潰した。
「嫌な思いをさせてすみません」
「篠田にも隙があるのよ」
「聞かれたんで、彼女がいることは言いましたよ。一緒に住んでることも。それでも信じてないのか、効果無しですね」
確かに篠田も告白されなきゃ振りようがないのだろう。
それにあのタイプは“彼女がいても構いません”とか言いそうだ。
どうも篠田には一筋縄ではいかない女ばかり寄ってくる気がする。
ヘソを曲げた私は篠田を押し退けてゴロンと背を向け、お布団を身体に巻き付けた。
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