おまけ③ 繁華街の中心で中野が叫ぶ

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「へっくしょぃ!」 中野君がくしゃみをした。 風邪ひいちゃうじゃん。 バッグの中でハンカチを握りしめたけど照れ臭くて、行動に移すにはまだハードルが高い。 「ちょっと!髪拭きなよ」 「俺、平気!」 「私が恥ずかしいんだってば!」 背伸びして乱暴に拭いてあげた。 まだまだ、私たちが甘くなる日なんてさっぱり見えないけど、でも。 “あの失恋がなかったら、彼を見つけられなかった” 大失恋の後、ずっと傍にいた篠田君と最高の恋を見つけた美紀先輩みたいに。 “失恋だって何だって、無駄なことは何もないの” そんな風に誰かに言える日が、 いつか私にも訪れますように。 繁華街の中心で中野が叫ぶ・終
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