1424人が本棚に入れています
本棚に追加
「お開きの時、高木さん元気なかったよね?」
「あれはな、篠田に拒否られたんだよ。遠回しに嫌味ったらしく」
「どんな、どんな?」
「高木、かなりどきつい誘いをかけたんだよ。篠田が乗ってこないから勝負に出たんだろうな」
「どぎついって、まさか一夜の」
私も相当やったけど。
「うん。俺、横で飲みながら聞いてたんだけど、あんな隅っこだし高木は誰も聞いてないと思ったんだろうな。まあ、こんな感じだ」
***
『私…少し飲みすぎちゃったみたいです。今だけ…お酒のせいにしちゃってもいいですよね』
隅っこの席。
周囲が全員背中を向けているタイミングを見計らって、高木が篠田に囁いた。
『篠田主任に彼女がいるのは知ってます。でも私……』
高木、タメを作ってから潤んだ目で見上げるも、篠田は完全無視。
***
「潤んだ目っつぅのは俺の想像だけどな?背中だし見えねーから」
「んなことどうでもいいよ!それでそれで?」
最初のコメントを投稿しよう!