おまけ③ 繁華街の中心で中野が叫ぶ

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「遠回しってより、ギッタギタじゃん」 私も何回も拒絶されてるけど、もう少し愛嬌があったような。 「うーん、あいつ高木に内心キレてるから嫌われたいのかもな。 わざわざ貴重な公募枠で来たくせに、仕事より男漁りが目的だったのが」 「米州部、忙しいもんねー」 危ない危ない。 私も会社に来る目的は一にも二にも男、だったし。 「その後、その場はどうなったの?高木さん泣いちゃったりとか」 「いや。高木もプライド高いからな。じゃあ彼女さんは本物なんですね?って嫌味返してた」 「篠田君は何て?」 「俺にとってはね、と」 「へぇー…」 「それであの公開プロポーズで、しかも女王様だもんなぁ。高木も付け入る隙ねーだろな」 「だね…」 望み通り床上手は赤っ恥で退散したのに、私の気持ちは晴れなかった。 私って、今まで一度も誰かにそんなふうに思われたことがない。 というより、まともに好かれたことすらないかも。
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