おまけ③ 繁華街の中心で中野が叫ぶ

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昔からクラスで目立ってるのに全然もてなかった。 押して押して、嫌々付き合ってもらったことがあるぐらい。 だから男好みの服とメークを研究して、合コンには全部参加して、男受けする習い事も一通りやったのに、スルーされてウザがられて、今も昔と全然変わらない。 私より綺麗でもない子が、素敵な彼を捕まえて結婚していくのに。 「それにしても篠田、勇気あるよな?片桐王子が出来なかったことをやった訳じゃん?会社に向かって女王様を下さい!ってやった訳だからな」 「…そうだね」 私のローテンションに気づかず、中野君は嬉しそうに喋り続けた。 「そりゃ小椋なんか相手にしない訳だよなー。色気ねーし、煩いし」 「……」 俯いた目にだんだん涙が滲んできた。 「だけどお前、ゾンビ級に逞しいよな。全然落ち込んでないし。ま、そこだけが取り柄だしな?」 「……うるさいよ」 まだほとんど飲んでいなかったチューハイのグラスを握りしめて中野君を睨みつけた。 「うるっさいよ!」 「ぶ……っ!」 私はすごい勢いで中野君にチューハイをぶっかけていた。
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