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昔からクラスで目立ってるのに全然もてなかった。
押して押して、嫌々付き合ってもらったことがあるぐらい。
だから男好みの服とメークを研究して、合コンには全部参加して、男受けする習い事も一通りやったのに、スルーされてウザがられて、今も昔と全然変わらない。
私より綺麗でもない子が、素敵な彼を捕まえて結婚していくのに。
「それにしても篠田、勇気あるよな?片桐王子が出来なかったことをやった訳じゃん?会社に向かって女王様を下さい!ってやった訳だからな」
「…そうだね」
私のローテンションに気づかず、中野君は嬉しそうに喋り続けた。
「そりゃ小椋なんか相手にしない訳だよなー。色気ねーし、煩いし」
「……」
俯いた目にだんだん涙が滲んできた。
「だけどお前、ゾンビ級に逞しいよな。全然落ち込んでないし。ま、そこだけが取り柄だしな?」
「……うるさいよ」
まだほとんど飲んでいなかったチューハイのグラスを握りしめて中野君を睨みつけた。
「うるっさいよ!」
「ぶ……っ!」
私はすごい勢いで中野君にチューハイをぶっかけていた。
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