おまけ③ 繁華街の中心で中野が叫ぶ

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顔もスタイルも、頭脳も経歴も。 何から何まで完璧で、本人もそれを自認して肩で風を切ってる感じが大嫌いだった。 上海に赴任してた四年間はせいせいしてたのに、帰ってきたらペアを組まされて最初は反抗しまくった。 なのに、気づいたら嫌いじゃなくなってた。 いつも必死で努力してて、苦しくても甘えることが苦手な、不器用でちょっと可愛い人。 だから、篠田君の視線の先に先輩がいることに気づいた時、先輩ならいいって思えたんだ。 それでも、いくら床上手に恥をかかせられても、しくしくする胸の痛みが軽くなった訳じゃない。 あの日の話で一人盛り上がる中野君はそんなの全然分かってないけど。 「あん時の女王様、可愛かったよなぁ。つか、篠田の行動にびっくりしたけど」 「…だね」 あの日、美紀先輩は宴会で篠田君と親しいところをアピールするつもりだったのに、途中から部長につかまって身動きが取れなくなっていた。 なのに篠田君は床上手につかまって隅っこでコソコソ喋ってるし。 邪魔しに行ったけど、篠田君の隣にいた中野君にブロックされて、成り行きは最悪に見えた。
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