おまけ③ 繁華街の中心で中野が叫ぶ

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先輩は準管理職だから余計に立場が難しいんだろうな。 うちの部長、何かあると“だから女は…”って陰で言う人だし。 美紀先輩が上海を断れなかったのは、それも理由の一つじゃないかと梨香子先輩が言ってた。 『あー米州部いきたいよクソ』 私を差し置いて床上手なんかが米州部に行きやがって。 腹立ち紛れにそこらの座布団を蹴りながら篠田君の方に向かうと、隅に篠田君を閉じ込めるようにして床上手がこちらに背中を向けていた。 仕方なく背中側にいる中野君に声をかけた。 『中野君、そこ代わってよ』 『うぇ、小椋か。あっち行けあっち行け。今は小椋がいると邪魔なんだよ』 『だって何?超怪しいじゃん』 小声で隅っこの二人を指差すと、中野君がニタニタ笑って私を押し戻した。 『いいから。篠田は大丈夫だから邪魔すんなって。今度教えてやるから』 『何を?何を?ちょっ、押さないでよ、やだってば』 『どうせあと十分ぐらいでお開きだろ?ほれ、早くあっち行け』 後であの二人が何を喋ってたのか中野君に聞かないとと思ってたのに。 その後お開きになった路上で起きたカミングアウトですっかりぶっ飛んでしまった。
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