おまけ③ 繁華街の中心で中野が叫ぶ

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聞き耳を立てて固まっていた周囲の面々がざわざわと騒ぎ始めて、さっきのやりとりを聞いていなかった他の人にもどよめきが広がっていく。 『あの二人、付き合ってんのか? つか、今の公開プロポーズか?』 興奮した米州部長に肩をバンバン叩かれている篠田君を遠くに見ながら、中野君はまだ呆然としている。 『そういうことだよね』 少しずつ少しずつ、篠田君と先輩のことを勘づきながら受け入れてきたけど、あの篠田君がここまでやるなんて。 やっぱり羨ましくて眩しくて、胸もまぶたもチクチク痛くてたまらない。 『やっぱ篠田君、さすがだよね! ああいうの、憧れちゃうなぁ』 『小椋には一生ねーだろ』 滲んだ雫をパチパチごまかして中野君に大げさに騒いで見せると、やっぱり中野君は無神経だったけど。 でも、本気だったなんて気づかれるよりずっと楽だ。
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