序章:聖王の眠り

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ジークハルトの死。 大陸を治めていた大国の皇帝の死は、瞬く間に大陸各地へ広まった。 帝都陥落。 これにより、帝都を取り巻くように配されていた各国の均衡が崩れることとなった。 小国・大国ともに戦争の準備を整え、外交官はひっきりなしに他国へ飛び、満足な軍備を持たない国は、如何にして民を守るか思案し、より良い条件を提示する国の属国となっていった。 国境にはどの国も関所が設けられ、国境と言う国境にはうず高い壁が作られた。 同盟、友好国…… そのような繋がりは形だけ残っていはしても、帝国と言う完全統治国が落ちた今、その繋がり自体が希薄なものとなっていた。 そして。 北の大国・ノースグランド王国が、隣国のエリシャ自治州に進行を始めたのをきっかけに、大陸全土を巻き込む大戦が始まる。 これは、長い長い、大陸全土を巻き込む戦火の中に生きた、人間の物語である……。
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