7.Melty touch

5/21
前へ
/21ページ
次へ
それを勝手に壊したことに怯えており。 そんなことをして、 お父様に叱られるのは私なのだ。 仁兄様はそれを気遣っているらしく、 急に私を責めるフリをした。 ああ、どんなときでも 仁兄様は私の味方なのですね。 >エロ女 >このボケ! そんな罵声を浴びせられながらも、 その奥底には深い愛情を感じる。 仁兄様、大好きですよ。 でも、やっぱりちょっと妬けます…。 それから数時間後。 反省した私はトワコさんの部屋に突撃し、 先程の非礼を詫びようと思ったのだが、 なぜか話はどんどん逸れ。 その場にいたアキラさんから、 『処女のくせに』的なことを言われる。 マ、マズイ。 官能作家が処女だなどと、 そんな噂が広まっては困る。 慌てて私はナカダ氏に電話した。 いや正直に言おう、 理由なんかどうでもイイ。 …単に会いたかったのだ。 彼の実家は隣県で、 正月は里帰りするという情報も得ていた。 適当に理由をつけて、 強引に呼び出したかったのである。 だってもう私に残された時間は少ない。 あと数カ月で結婚させられてしまうから。 とにかく会いたい。 スグに会いたい。 そんな衝動を抑えつつ、私は電話した。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

485人が本棚に入れています
本棚に追加