4章

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 いつも通りパリパリになったページをめくって読書をしていると、誰かがドアをノックした。 「開いてますよ」僕はそばにおいてあるバールを握りしめた。 「4階で男を買ってみるか?」ロメ郎は僕の部屋に入ってくるなり、そう言い放った。 「・・・・・・いや、結構です」バールをそっと床に置いた。 「何を握りしめていたんだ?」 「バールですよ」 「その前さ。どうせペニスだろ。ひとりエッチばっかりしてんの?」ロメ郎はシラフとは思えないくらいに軽いノリだ。親戚に必ず1人はいる、軽薄なおっさんみたいだった。 「まあ、そんなところです」 「最初は抵抗あるけど、男も案外いいもんだぞ。相手はプロに徹しているから、人には話さないし、先っちょに糞が付くこともない」 「・・・・・・無理っすよ」僕は真顔で首を横に振った。 「冗談だよ。そんなことよりも、今日は伝えたい事があって来たんだ」 「何かあったんですか?」 「島に送られてくるカニバの数が、少しずつ減ってきているみたいなんだ。今まではずっと30人前後で推移していたのに、先月辺りから30人を超えることが無くなって、今日に至ってはたったの25人だ。過去最低の数だよ」 「そういえば加工場の生けすも空っぽでした」 「だろ? これはかなり切実な問題だよ。昨日来た新人いわく、本土でカニバの取り締まりを弱くしたみたいなんだ。このままどんどん新人の数が減ったら、俺達はあっという間にこの世から消滅するよ」ロメ郎は腰を下ろして、冷たい壁に背中を付けていた。
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