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翌日、新人の数はたったの10人だった。
毎日港まで迎えに行ってる岩城師範代いわく、船に乗っている警察官たちは最後まで岩城に銃口を向けることはなく、物言いたげな顔で引き返したという。
「変化は徐々に起きるのではなく、突然起きるものなんだな」ロメ郎は、北側の海岸で海を眺めながら話していた。
「徐々に変化したら、変化に気づきませんもんね」僕はそう言うと、近くに転がっている空のペットボトルを拾った。指先は震え、原材料名を読むことはできなかった。
「俺の予想では、もうこの島に連絡船は来ないと思う」ロメ郎は呟いた。
「僕も今、それを言おうと思っていましたよ」
「もしもそうなったら、2ヶ月もしないうちに、この島は無人になるぞ」
「僕たちが対戦する可能性も、桁違いにアップしますね」
初日に出会った髭を蓄えた男が、僕たちの後ろをゆっくりと歩いていた。
「あの人、まだ生きてたんだ」僕は後ろを振り返った。
「彼はドロップアウト組だ。ここで生活している」
「へ?。何を食べているんだろう?」
「なんだっていいだろ。生き残っていることが重要だ」
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