2章

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「ありがとう」12番は半笑いでそう言うと、煙を小さく吸い込んで、大きく吐き出した。 「・・・・・・」僕は黙って頷く。 「お互いをあだ名で呼び合おうか? 俺のことは『ロメ郎』と呼んで」 「・・・・・・」 「喋っても平気だよ。みんなそうしてる。ルールなんて1番厳しい条件を言うものなんだよ。法定速度みたいなもんさ。それにしてもすごい偶然だよね。ここで出会うなんて」 「・・・・・・」僕は喋りたかったが、もう一度スルーしていた。 「調子はどう?」 「・・・・・・模試のことですか?」ここでようやく僕は口を開いた。 「君の模試の成績なんて興味ないよ。カーニバルの準備さ」 「まだ、何も・・・・・・」僕は首を横に振っていた。 「大丈夫? 用意できなかったら、あいつらマジで容赦ないからな」ロメ郎は笑いながら僕の横顔を見つめていた。 「知ってます。以前、目の当たりにしましたから」
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