2章

6/33

26人が本棚に入れています
本棚に追加
/110ページ
 約2ヶ月前のことだ。  7日以内に死体を用意できなかった会員が出てしまったのだ。  その日、僕はいつもどおり席について、人肉を楽しみにしていた。しかし数十分待っても、ただ小便がしたくなるばかりで、死体がテーブルに乗せられることはなかった。  会員たちがざわつき始めると、突然ドアが開き、見慣れた数人のスタッフが入ってきた。彼らは1人の男性の髪を鷲掴みにして引きずっていた。目隠しをされ、口には白いタオルが咥えさせられていた。両手両足には頑丈そうな手錠がはめられている。 「会員の皆様、本日は会員ナンバー4番がお肉を用意するはずだったのですが、失敗してしまいました。というわけで掟を実行させていただきます」  主催者がそう言うのとほぼ同時に、男は放り投げられるようにして、テーブルの上に叩きつけられた。  天井からチェーンが下ろされると、その先にはドデカイ釣り針のような鋭利な金具が付いていた。男の肩甲骨の下から金具が差し込まれると、肩からその先がニュルッと飛び出した。男は悶絶しながら天井から吊るされた。 「さあ、みなさんで、新鮮な肉を食べましょう」  主催者がそう言った瞬間に、スタッフは男の指を巨大なハサミで切り落とした。
/110ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加