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「大丈夫か?」無精髭の男の後ろからロメ郎がひょっこりと現れた。ロメ郎の腕は無精髭の男の首にまとわりついていた。裸絞で落としていたのだった。
「・・・・・・」僕はまだ喋ることができない。
「もう一人いたのか」ロメ郎は腰からナイフを取り出した。
「す、すみません! 許してください! 悪気はないんです!」ニット帽は僕の肩から手を離すと、便所の壁に背中を付けて謝罪を繰り返していた。
「悪気がなくて、こんなことする奴なんていないだろ。お前らもカニバか?」ロメ郎はナイフの先をニット帽の鼻先に向けた。
「違います! ここで男を食ってたんです」
「食ってた? やっぱりカニバだろ」ロメ郎は半笑いだった。
「いや、そういう意味じゃなくて」
「相手が悪かったな。お前たちの人生は今日かぎりだ」
ロメ郎はそう言うと、床に転がっていたスタンガンをニット帽に押し付けた。
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