2章

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 僕はロメ郎の横に座って一緒にテレビゲームに興じた。久しぶりのゲームだ。立場上、参考書を開かないといけないのだが、時間潰しに勉強をしても頭に入るとは思えなかった。ゲームの世界では勇敢な特殊部隊が襲い掛かってくるゾンビを次々に撃ち殺している。 「俺達もいずれこんな風に扱われるのかな?」ロメ郎は笑いながら言った。 「死んで生き返ったら、そうなるでしょうね」 「・・・・・・前に無差別に人を殺して死刑になったカニバがいただろ。あいつは絞首刑を執行してもなかなか死ななくて、刑務官が手を焼いたらしいよ」 「本当ですか?」 「まあ、噂なんだけどね。首に縄をかけて穴に落とされると、普通の死刑囚は30分間そのまま吊るしておくらしいんだけど、そいつは30分を過ぎてもずっと体を痙攣させていて、しかも顔が笑ってるように見えたんだってさ」 「その後はどうなったんですか? 噂では」僕は噂という言葉を強調しながら続きを聞いた。
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