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僕は胸を躍らせながら他の新人カニバたちを見た。ほとんどが顔面蒼白。きっとカーニバルにも参加したこともないような、軟弱なカニバばかりなのだろう。花屋でクソまずいババアの死肉を買うようなレベルなのだ。
「君はずいぶんと自信があるみたいですね」おっさんは僕を指差した。
「殺しは、慣れているんで」
「本土にいた時は、カーニバルとかに参加してたんですか?」
「はい」
「なるほど。それは楽しみだ」
「ちなみにおっさんは、何階で暮らしているんですか?」僕はさらに質問した。
「私は3階です。こう見えても昔は合気道の師範代だったんですよ」
「え・・・・・・」それを聞いて、僕の自信はいとも簡単に吹き飛んでしまった。
金髪の男を簡単にねじ伏せる実力があるのに、ここでは真ん中のレベルなのだ。混浴の温泉に浸かる直前に、陰毛を全て剃り落とされてしまったかのような喪失感だった。
「別に階と強さが比例してるわけではないですよ」
「・・・・・・でも」
「私には3階くらいがちょうどいいだけです。3人部屋なんで、適度に話し相手がいるんです。1人じゃ寂しいですから。でも4階は避けたほうがいいです。2人部屋はケツを掘られる可能性が高いですよ。そういう趣味があるならいいですけど。それなら5階の個室にしたほうがいいですね」
「2階は?」
「10人くらいの雑居房です。いびきのうるさい奴とか、クサイ奴がいたら最悪です」
「・・・・・・1階は?」
「ホールに雑魚寝です。難民キャンプよりも劣悪ですよ」
「すごい格差」
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