4章

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 1階に戻ると、自分の番号が刻印されたアルミ製の札を5枚受け取った。  晩に開催されるディナーショーまでは1階で過ごさないといけない決まりになっていた。その時に抽選箱の中に自分の札を何枚入れたかで、階と部屋が割り当てられることになる。  周辺にいる人たちに、ディナーショーの細かいルールについてしつこく聞き込み調査をした。露骨に嫌な顔をする人もいたが、他人の迷惑なんて考える必要はない。生死に関わる問題なのだ。  戦い方は基本的になんでもありである。  目つき、金的、噛みつき、すべてOK。相手を殺すことが勝利条件なのだから当然である。武器の使用も認められている。武器とはいっても刑務所の隣の加工場で使われている包丁の使用は認められていない。島を散策して新たに発見した包丁なら可だ。棒に石をくくり付けたような原始的な武器や、木を削った槍、弓など、全てが許可されている。  刑務所の古参たちは島に残されたわずかな住宅を物色して手に入れた武器を持っていることが多いため、戦いを有利に進めることができるのだという。  ロメ郎はどこかで散弾銃を入手したのだろう。弾がどれくらい残されているかは誰も知らない。しかし事実上、この刑務所で最強のポジションに君臨していた。
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