4章

19/40
前へ
/110ページ
次へ
 ロメ郎の評判は、驚くほど悪い。銃という武器を手に入れていたからこそ、ディナーショーという自分に有利なシステムを採用したのではないかというのが、その最大の理由であった。確かにロメ郎1人が圧倒的に有利である。指先ひとつで、相手を穴だらけにできてしまうのだから。  二つ目の理由としては、ロメ郎の殺した相手の肉の中に散弾銃の小さな弾が入り込み、肉を食べた時にそれを齧ってしまうことがあるという現実的なものだった。 「檻の外側で戦いを観戦していたら、流れ弾に当たりませんか?」僕は純粋な疑問を質問していた。 「当たるよ。ロメ郎の時は、みんな外に出る」全身から異臭を漂わせている名も無きおっさんは、親切に答えてくれた。  対戦相手がダウンして10秒以上起き上がらない場合は死亡と判断され、半球型の檻の天井から鎖で繋がれた手斧が落とされる。それを使って相手を斬首しなければいけない。
/110ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加