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日帰り温泉
私が彼と付き合い始めてまもない頃
彼と「日帰り温泉」へ車で出かけたときのこと
曲がりくねった山道、木漏れ日のなか
何もかもが輝いていた
彼が窓を開けると川の流れる音が心地よく聞こえていた
彼は思いきり息を吸い込んだ
「あっ、もうすぐ温泉だ、硫黄の臭いがする」と言ったその時
日帰り温泉の看板が見えた
「ほらね」と少年のように微笑む彼
私は顔を赤らめて微笑んでいた
心の中で「ごめんなさい。。。」
あれから何年たつだろう
今なら言える「硫黄じゃないよ、私だよ」ってね
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