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俺はそれに手を伸ばし、自分のものであることも厭わず、黒い手袋を慰めるように舌を這わせる。
「ん、ぅ……んく……」
下を這わすだけでなく、濡れた指先を口の中に入れて唇をすぼめる。青臭い匂いが鼻を突くが、それ以上に舌に擦れる手袋の感触が官能を煽った。
「あなたにもこの手袋の良さがわかるんですね……可愛い人だ」
しゃぶっているのと別の手が、俺の頬を撫で、指先で喉を擽る。
「んう……」
「この感触、たまらないでしょう? 人の手に近いのに人の手ではない」
俺は指をくわえたまま、こくこくと頷く。
遠藤は満足そうにわらって、俺の口から指を抜くと、ずれて着乱れたズボンを下着ごと脱がせた。
「人との交わりだと思わず、上等な道具に犯される快感を教えて差し上げますよ」
そう言って、遠藤自身もズボンの前を寛げる。
「っ!?」
ズボンは脱がず下着をずらすと、ホテルのくらい明かりの中でもわかるまっ黒くそそり立った雄が見えた。
「それ……」
「手袋と同じ革です。革製のコンドームの様なものです」
黒い手が、その黒い雄をするりと撫でる。
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