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すっぽりと黒革に被われたそれは、不出来なぬいぐるみのパーツの様に見えるのに、何故か生々しく肉感的だ。
それが、溶けた俺の中をかき混ぜてくるのかと思うと、思わず喉が鳴った。
「これで、如何して欲しいか言いなさい」
「……これで、俺の中を……暴いてくれ……」
かすれた声で、俺はやっとそれだけを喉から絞り出した。
簡素に服を緩めただけで素肌を見せずにいる遠藤に、俺は散々啼かされて犯された。
素肌でのふれあいは一夜限りでも何かしらの情の様なものを感じて好きだったが、今宵はそんな甘いひと時ではなかった。
上等な道具。
遠藤は正しくそんな存在だった。
甘い睦言もなく、ただひたすらに身体を暴かれて、黒革の手と雄に犯された。
自分の吹きあげた精液で腹も脚もどろどろに汚れ果てて、俺はやっとその快楽から解放された。
「部屋は泊りになっています。どうぞ朝まで泊まって行ってください」
ベッドに突っ伏したまま、身動きを取るのもだるい俺に遠藤が言った。
「あんたは……帰るのか?」
「ええ」
そう言いながら遠藤は、まるで手でも洗うように手にはめたまま手袋を洗い始めた。
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