第二章

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  「智志、久しぶり! 元気してたか?」 明るい声で雅人は俺の家に入ってきた。 「おう。元気だったよ。 雅人は?」 雅人は早速、飲み物をテーブルに置いていく。 買ってきた俺の大好きなオレンジジュースを見ると、やっぱりこいつ俺の事分かってんなって感じる。 「ぼちぼちかな」 雅人はりんご味の水を飲んで言った。 「ぼちぼちか。 そのぼちぼちって、理衣のことか?」 そう俺が聞くと、雅人は目を丸くした。 「そうだよ。 ごめんな。今まで黙ってて。 俺は理衣ちゃんが好きになっちまった」 雅人は俯いた。 「何でだよ。 雅人は理衣みたいな子はタイプじゃないだろ?」 雅人は俺の質問にゆっくり頷いた。 「最初はタイプじゃなかった。 好きになるつもりなんてなかったんだ」 雅人の顔はずっと俯いていた。
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