第一章

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  一人で家にいたくなくて、ブラブラ歩いて入ったことのない喫茶店に足を進めた。 その喫茶店はとても静かで、とても暖かかった。 喫茶店のマスターと話し合っているうちに仲良くなっていた。 俺はマスターに、さっきあった出来事を打ち明けた。 マスターは珈琲を入れながら言った。 「それはお気の毒に。 そうなる前に何とか出来たらよかったのにね」 俺も出来たらそうしたいけど、もう理衣と雅人とは関わることができない。 これが現実だ。 現実と必死に向き合っていると、俺の携帯に一本の電話が入った。 「智志、大変よ! お母さんがデパートの屋上から飛び降りたって。 今、○△病院だから早く来なさい!」
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