星の指輪 1

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再び扉の向こう側に消えようとする彼を 涼子は呼び止めた。 「待って下さい、先生。」 小山は振り返った。 「わたしが署名するまで見ていて下さい。 家を買う時、売り主か買い主の一方が 契約書に署名して席を外すことはない でしょう? わたしだったら価格を書き 換えるわ。」 小山は再び席に着いた。涼子は署名・押印 した同意書を彼に見せた。 「よろしくお願い致します。」 涼子が頭を下げると彼は同意書を受け 取り部屋を出て行った。 ベッドに戻ると大きなため息が出た。
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