ある日の葉

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『優しいコトバ』 「ありがとう」の言葉に 思わず涙が零れ落ちた まだ出会ってから 僅かな月日しか経っていない 捨てられたばかりの自分に こんなに優しい言葉を繰り返してくれた 零れた涙を隠すために 僕は声だけでも元気を出した 代わりに君の涙を感じていた 「本当に 優しくて良い子」 そんな思いが素直に沸いてきた 改まった とてもぎこちない言葉 普段とは全く違う そんな言葉も嬉しかった 嬉しさの余り零れた涙は いつもより温かかった つらいことがたくさんあった そんな君を本当に救えるか それは僕にはわからない だから 君が少しでも楽になること そんなことが出来たら嬉しい こんな自分に巻き込まれてくれた せめてもの御礼だから もう十分 自慢の娘 「ありがとう」  
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