ある日の葉

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『雨の日のステージ』 夕方の一時 雲は流れる そして黒い雲が現れ 激しい雨が降り出した 僕は傘を片手に わざわざ外に飛び出した 雨はまだまだ激しい 地に打ち付ける雨は 勢い良く跳ね返る それは僕の腰の高さまで どんなに大きな傘でも ズボンは直ぐにびしょ濡れだ 靴の中まで浸食している 靴下も当然重たい 大雨の街中で僕は 変に高ぶった気持ちでいた 重くなった足を振り上げ まだまだ歩き続ける 大きな水溜まりを見つけた 歩道を分断する程の大きさ 避けるのも一苦労 もう濡れてしまったのだから 避ける必要はないだろう そう思い僕の重たい両足は 水溜まり目掛けて跳ね上がった 飛び跳ねた水しぶきは 傘まで届いていた 水に飲み込まれた感覚に 僕は暫く浸っていた 大雨の夜で僕は 水と一体化したような気持ちでいた 重くなった体を運び やっと帰路へ着いた  
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