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無精髭がのびっぱなしのまったく可愛いげのない
男の顔をずっと見ていた
彼は淡々としていて、単位がとりやすく分かりやすい授業をすることで有名だった
先輩の教えからこの先生の授業をとることにしたがなかなかいい
ゆっくり大きな声ではなすのでノートがとりやすいし、テストに出すとは言わないが出すであろうところがわかりやすい先生だった
真面目そうなのがまたいい
でも最初はそのくらいの印象、
ただの先生
だった
でも
俺と先生が会ったのは授業だったけど会話をしたのは忘れもしないあの日
あの日は雨が降っていてじめっとしていた
食堂へ行くと女の子達に囲まれてしまうので持参したお弁当を持ち校内を歩き回っていた
最初の頃は女の子達のことを気にする余裕はなかったが日が経つにつれうっとおしくなって、こうしてお昼は人目につきにくい校舎に忍び込んで空いているところで食べている。もともと人とあまり関わらなくても生きていけるので苦にならないし、自ずと弁当になるので食費も浮くし結構いい感じだ。
というわけで教室の扉を開けようとしているのだが、、、
なかなか開かない、
はあ
雨のせいか、
それとも俺が女子に囲まれるのを羨む男子の呪いか
はたまた女子の呪いかもなどと、適当なことを考えて空腹をまぎらわしていると、
なにやら呪いをかけている声が、、聞こえてくるのは気のせいなのだろうか
まさかな
そんな呪いを信じるやつがどこに、、
、、、、
どうせこの扉も空かないだろうと思い勢いよく開けた扉の向こうには呪いの言葉をはく怨霊が、、
あっ
間違えた
先生がいた
目が合う
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