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母は27歳で他界したけれど、それまでの闘病期間は3年という長さ。振り返って話す父も思わず疲労が隠せなくなるほどだ。
いわゆる普通にOLして、上司だった父と恋愛、そして結婚する。反対する者などいるわけが無く、結婚式の写真だって幸せを絵に描いたように桃色だ。
父の記憶では、結婚の翌年わたしを妊娠している事が判明。意気揚々と向かった産婦人科で、妊娠と乳がんを告げられる。
当時はようやく、乳がんでも妊娠続行をサポートする体制が整い始めた頃だ。それまでなら確実に中絶を勧められただろう。
巨大な医療チームを結成して、わたしという存在を生み出し、さらには母も生かすというチャレンジが始まった。
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