51人が本棚に入れています
本棚に追加
居間へ行くと
そこは 嘗て下宿生が寛ぐ場所として使われていた
大きなリビングダイニングである
その六人掛けのソファに あの女は大の字になって
寝ていた
勝子さんが 起こしますか? と訊くので
お願いします と言った 自分が下手に
身体に触れて騒がれても困る 勝子さんが
いてくれて良かったと思った
「お嬢さん こんなところで寝ていると
風邪をひきますよ」
そう声をかけられ 目を覚ました女は
「ん? あ? あれ ここどこだっけ?」
完全に寝ぼけている
「君が 僕に 助けてくれ と言ったから
自宅にお連れしたんです お忘れですか?」
女は記憶を辿るように 天井を見つめた
最初のコメントを投稿しよう!