51人が本棚に入れています
本棚に追加
「あっ そうだった 腹 蹴られたんだっけ
ついでに… 腹が減ってんだよ 何か喰わせて
もらえないかな そんで ついでのついでに
ひと晩 泊めてくんないかな」
僕と勝子さんは 顔を見合わせた
「君 名前は?」
「早乙女… 蘭子… 」
「それで 蘭子さん 何故あのような状況に
なったのですか?」
蘭子は 自分が極道の世界に憧れていること
そして それが故に任侠小説を書いていること
その小説が まったく売れていないことを話した
「それって アホって いいませんか?」
「なっ! アホって テメー … … 」
ご尤もなご意見ありがとう と言いたいところだが
それよりも蘭子は 腹が減って死にそうだった
台所からは 豚のしょうが焼きのいい匂いが
まるで 拷問のように襲ってくる
目の前に供された しょうが焼きを
ダイ〇ンクリーナーの如く吸い上げていった
最初のコメントを投稿しよう!