拾われし モノ たち

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そんなある日 出版社との打ち合わせに 出かけていた春臣 終わったのは 夕日の沈みかけた夕刻のこと 電車を乗り継ぎ 帰路へ向かう途中 近道をしようと路地裏へ入ると 何やら 小さな鳴き声が聴こえてきた ふと見ると ビルの非常階段の横に 小さなダンボール箱が  そこには 産まれて間もない4匹の子猫が入っていた 春臣は その箱を持ち上げると 何を思ったのか そのまま持ち帰ろうとする 春臣自身 猫が好きだというわけではない ただ 時々 自分でも意味不明な行動をする 癖がある 子猫たちの様子を見るわけでもなく 声をかけるわけでもない 無言のまま 箱を持って歩き出す と ここで 人の声が聴こえてきた
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