拾われし モノ たち

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「ちょっとアンタ その猫も気になるかも しれないけどさ 人が倒れてたら 先に人のほう 助けようとか思わない?」 春臣は 声のしたほうを じっ と見ると 「僕が あなたを 助ける ですか? ならば 救急車を呼びましょうか?」 「そんな大げさなことしなくていいけどさ ちょっと 手を貸して貰えないかな  立ち上がるのも しんどいんだよ」 春臣は 子猫の入っているダンボール箱を 一旦 足元に置き 倒れている女に手を貸した そして 自分の肩に女の手を掛けさせ 再びダンボール箱を持ち上げると 「それで どこまでお連れすればいいんですか?」 「行き先なんて ないんだよ できれば あんたんちで少し休ませてくれないかな」
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