拾われし モノ たち

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春臣が向かった先は 向かいにある 丸山アニマルクリニック ここの医院長 丸山 優太は春臣にとって幼なじみみたいな ものである 春臣の実家は ここから1km程離れた 両親の暮らすマンションなのだが 両親共に公務員で忙しく働いていたこともあって 子供の頃は この本宮荘で祖父母と過ごす 時間のほうが長かった 「優太 頼みがあるんだが 猫の飼い方を 教えてもらえないか」 「は? おまえが猫飼うの? おまえ 動物に興味なんかなかっただろ」 「どういうわけだか 拾ってしまった 拾ってしまった以上 責任をもたねばなるまい」 「まあ そうだけどさ」 そう言いながら箱を開けると 「うーん 生後1ヶ月ってとこだな 最近まで 母乳を飲めていたのかもしれないな」
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