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そして礼儀正しくそこに飲み物を置き「ごゆっくり」と言って去っていった。
私はその飲み物に嫌気をさした。
そしてそれを手に持って口に近づけながら心の中でつぶやく。
(いや、なんで赤いの。晩餐会みたいだからって血みたいなの出さないでよ。まぁ、飲みたいから飲むけど。……ん?これって……ただのトマトジュースじゃないか!!)
私がそう思ってる横で棺さんは聞く。
「いかがですか?冷えました?」
「えぇ……」
「では、ケーキを」
また片手を上げて指を鳴らす棺さん。
上からケーキが机に落ちてきた。
クリームが飛び散っている。
その有様を見て私は思った。
(まぁ、落ちた衝動だからそれは許そう。だが、目の前のケーキは何だ?崩れてひらべったくなりかけているではないか。テーブルに付いてるし。食えないわ)
棺さんは私を見て口を開く。どうやら、私が思ってることを言ってくれるようだ。期待しよう。
「お嬢様、ごめんなさい。黒いドレスが汚れてパンダや牛のような模様になってしまいました。誠にごめんなさい。後で使用人に洗わせるので……」
心の中で呆れながら思った。
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