1人が本棚に入れています
本棚に追加
(そっち?いや、そっちもそうだけど。そこまで困らないわ。というか牛やパンダの用ってひどいわ。私、太ってないわ。まぁ、模様のことね。あぁ、なんかこの晩餐会分かってきたわ。怒ったら負けね)
私は息を静かに吸って吐いてから笑顔で言った。
「いいわ、次の料理を召し上がらせてもらえる?」
「えぇ、もちろん。ですが、ケーキはまだありますので……」
また彼は指を鳴らした。
上から落ちる気配はない。
すると先ほどのシェフが嬉しそうにしながら来た。
いや、もう一人若いシェフも付いてきている。
ん?あの女の子が持ってるのって包丁?
私はテレビで見た番組を思い出して悟った。
(なるほど。あるよね、ケーキを渡すかと思ったら顔にベたりとくっつけるアレ。さすがにそれやったら私、怒るわ。いや、違う。その後に彼女が私を刺すのだ、あの怪しいおぞましいオーラを漂わせている包丁で……)
そんなことを思いながらシェフたちを見つめていたが、彼らはテーブルにケーキとおぞましい包丁を置き先ほどと同じように去っていった。
私は心の中で悩んだ。
(これはどういうことだ?……あっ、なるほど。棺さんがケーキを切ると見せかけて私を刺す。うん、お見事)
しかし棺さんはこう言う。
「私の手でやってあげたいのですが、お嬢様自ら切ってください」
私は心の中でこうやって解釈をした。
最初のコメントを投稿しよう!