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おかしな誕生日
私は目隠しをされたまま椅子に座らされた。
誘拐や拉致じゃない。そもそもここは私の家だ。
そして先ほど家にいる執事が「お嬢様、しばらく目をこれで伏せさせて置いてください」と言われ、「ちょっと……」という間もなく目を紐か何かで軽く縛られた。
私の目には黒い何かが映っている。
それはまぶたの裏を見ているのか、紐の色なのか分からない。
執事はそんな私の耳元で「ここに座ってください、お嬢様」と言う。
私は恐る恐るそこに座った。
するとしばらくしない間に私は前に前進した。
私は歩いていない。
私は急に怖くなって「どこに行くの?」と聞いた。
誰も答えない。
「ねぇ、どこに行くの?」
何かを滑らせる音が聞こえる。
「ねぇ、聞いてる?」
なんの返事もない。
その静けさが私の恐怖を漂わせた。
私は心の中で悩んだ。
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