13.俺と兄と学校

2/2
62人が本棚に入れています
本棚に追加
/62ページ
「聖、次数学移動だぞ」 「え、英語じゃねーの?」 「授業変更」 基本的には聖と行動を共にする。 俺の所属は特進科理系。 移動教室が多く、同じ理系の聖とはよく喋るのだ。 唯一兄貴に会わない時間が学校。 小学校こそ学校は被ったが、中学からはうまくズレ込んだ。 昼には時折電話も入れるが、話しても数分だし。 平穏、と言えるだろう。 「あ、あの!特進科の吹田先輩ですよね!?」 いや、嘘だ。 平穏ではなかった。 廊下を歩けば女子を声をかけられるのだ。 「そう、だけど」 「放課後、あのっ…お話、良いですか?」 こんな日は帰りが遅くなるので、スーパーのセールは兄貴に任せる。 「また告白か、誠司何人目?」 「さぁ?それより兄貴がまた怒りそうだなぁ。振るって分かってんのにすぐ拗ねる」 「……」 「え、何だよ聖」 「お前も大概誠汰君中心だよな」 「はぁっ!?」 ちなみに誠司の学校の話題は7割くらい誠汰君の話だよ(聖談)
/62ページ

最初のコメントを投稿しよう!