ACT.1「大崎翔子と斎藤智」

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 赤城道路ドライブして10分が経つとR35は停まった。  停まった場所は赤い鳥居が聳え立つ建物、赤城神社だ。  長い橋の向こうに本殿がある。 「着いたぞ」 「うわァー、綺麗な橋がありますね」  停まったR35からおれたちは降りる。  降りた後は赤城神社のある中央の半島を結ぶ橋を眺めた。    オオサキが眺めた赤い橋を進み、赤城神社へ向かう。  赤い橋を渡りながら、こんな話をする。 「長い橋ですね。  下には大きな大沼という湖があります。  大沼も大きいです。琵琶湖とどっちがおおきいでしょう?」  大沼と琵琶湖がどっちが大きいか尋ねてきた。  この質問は小学生でも分かる程、馬鹿すぎる質問だが――。 「それは琵琶湖が大きい。こんなの当たり前だろ?」 「ウェヒヒ、冗談のつもりで質問しました。  それは当たり前ですよね。」 「やれやれだな」  その質問は冗談だった。  日本に琵琶湖を超える湖なんて存在しない。  そんな話をしていくうちに、いつの間にか本殿へ到着した。  到着すると、すぐ殿内に入ってそこでおれと智姉さんは参拝をすることにした。  5円玉を2つ賽銭箱に入れ、手を合わせて神社の神様に祈る。 「運転が上手くなりますように、  智姉さんと一緒に幸せになりますように――」 「私からも、  オオサキと一緒に幸せになりますように――」  果たして、おれたちのそれぞれの願いは神様に届くのだろうか――?  祈った後は本殿から出て、おれと智姉さんは本殿の前にある段差に腰を下ろす。    この後、おれに悪夢が待っていることは知らなかった。
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