ACT.プロローグ「覚醒技」

2/5
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/82ページ
 3月15日……昼11時の赤城道路、天気は快晴。  静かで自然な雰囲気が漂うその道に2台の車が走る。  おれはここを走っていた。  赤・白・黒という派手なスリートンカラー、  開閉式のライトを固定化していたようなヘッドライト、  後部にGTウイングを生やした少し厳つめの外観した車――。  日産の180SX――。  通称「ワンエイティ」と呼ばれるクルマを運転していた。    ワンエイティを運転するおれは、前を走るオレンジのZN6型86に目を付ける。 「あのエンジン音――GT-Rじゃあなくてワンエイティか!  しかも小学生が乗っているんべェい!  運転ができねーような小学生相手には負けるわけに行かねー!」  前のZN6は後ろから来る車をGT-Rだと思っていた。  なぜGT-Rだと思っていたのはおれのワンエイティにはRB26DETTが積まれていたからだ。  おれはZN6に食らいつき、  ZN6より速くコーナリングを攻めていく!  小学生のような見た目をしているおれだけど、車の運転には自信がある。 「離したくても離せねぇ!  どうゆうことになってるんだ!」  前の男の顔が攻めている顔から焦りの顔に変形している。     
/82ページ

最初のコメントを投稿しよう!