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ただ、満更でもない反応をされると、まさか本当に好きだとか言い出すんじゃないかという気がした。
驚いた顔が困ったり拗ねたり。トウマの表情が変化するのを複雑な心境で見守る。
「…好きだよ、トモダチだし。言わせんなよー」
ばしっと腕を叩かれ、ケラケラと笑う姿に拍子抜けしてしまう。
トウマは「二号館だっけ?」と先を歩いていく。
「友達?」
友達、だったのか。知らなかったな。
「え?」
なんだ、そうか。
だからこんなに警戒心なく話しかけてくるのか。
「ごめん、勘違いしてた」
歩幅を大きくしてトウマの隣に並ぶ。
「勘違い?」
「いや…友達って思われてたのが意外で」
「ま、じか。友達と思われてなかったほうが意外だよ!」
「そうか?」
「聞くのコワイけど…アマモリの中で俺ってどういう認識だったわけ?」
「あー…犬?」
「人間ですらない!」
「飼ってた柴犬に似てんだ」
「なんでちょっとドヤ顔なんだよ!」
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