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2010年・3月に相次いで私の父と母が別々の病院へ入院する事になって、一人娘の私はただDrヘリを眺めながら途方にくれていた。
しかし次の日、たまたま就職活動中の娘が、「ハイ今日はママはバー(母)の所へ、私とパパはジー(父)の所へ行って、実家の猫ちゃん見てから、バーの所へママと合流するから!」とそれからの指図をしてくれるのでした。
元々、指図魔の母の元で育った私は、誰かに号令を掛けられなければ動けなくなっていたようでした。
父が倒れ、脳梗塞で、しかも脳溢血で福島で倒れてから6年目の2度目の脳疾患での入院でした。
そして母は、父を入院させて、その晩の未明に自分は心筋梗塞を起こし、数日間放置してしまった為に治療が出来ない状態にしてしまっていたのでした。
母はベテランの看護師なのでした。
そして母は父から直線距離にある大学病院に入院することになったのです。
そんな状況下で私は途方に暮れていて、どうすれば良いのかわからずDrヘリのエンジンの爆音に耳を塞いでいるのでした。
次の日から「ハイ!今日はママはバーの所へ!」と指図されるようになるとは思っていなかったのでした。
おかげで私は特別に思い悩むこともなく、日々、彼女の朝の号令に従ったのです。
そして私は母を見送る事が出来たのですが、母の葬儀中に起こった信じがたいお墓の問題と父方の叔父との父の争奪戦が待ち構えているとは思ってもみなかったのでした。
しかし、この時も気弱に流れてしまいそうな私に喝を入れサポートしてくれたのは娘だったのです。
まだまだ子供だと思っていた娘の臨機応変な立ち回りに救われた私は彼女に何か還元したいと考えていたのでした。
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