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「何よ」 「いや、確かにその通りだなって」 「じゃあ何で笑うのよ」 「ごめんごめん。そう怒るなって」  そりゃあ怒るよ、人が真剣に言ってること、笑うんだから。ムスッとしていると、幸一が、「ごめんなさい」と腰から頭を下げたので許す。 「でも、本当にそうだと思ったよ。正直迷ってたから助かった」 「そう? なら良かった」 「あ、あのさ」  何やら気まずそうに頭を掻く幸一。もしや、これは……少し期待して胸が高鳴る。 「明日、誕生日おめでとう」 「え? あ、うん」 「それじゃあ、またケーキ作り始めるから帰ってもらえる?」 「はああ!? それが励ましてくれた人への言う言葉か!?」  その後ちょっとしたひと悶着はあったものの、最終的には、「それじゃあねー」と手を振って去っていたから、私達って結局幼馴染なんだよなぁと思ってしまった。
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