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キーンコーンカーンコーン
そして、朝のホームルーム開始を告げるチャイムが鳴り、担任の先生である北条貴哉(ほうじょうたかや)が入ってくる。
「只今より、ホームルームを始める。それじゃあ、号令を木下!」
「はい!起立…礼!」
『おはようございます!』
「着席!」
満の号令によって、朝のホームルームが始まった。北条はクラスの出席簿を開く。
「それじゃあ、出席取ります。麻生!」
「はい!」
「伊志嶺!」
「はい!」
「宇野!」
「はい!」
「榎田!」
「はい!」
「小波瀬!」
「はい!」
そして、北条は大きな声で次から次へとクラスの生徒の名前を呼んで、大きな声で返事をする。その様子はまさしく軍隊の訓練のような緊迫とした雰囲気が漂っていた。この学校は昔から不良が多く、それを更正して社会へと送り出すプロジェクトの一環として、大きな声で返事をするということも組み込まれていたのだ。それが今でも根づいているってのが本当に凄い…(ちなみに、C組にはチャラいヤツはいるが不良はいない。)
「木下!」
「はい!」
(中略)
「松平!」
「はい!」
「最後、和田!」
「はい!以上、C組35名欠席ゼロです!」
そして、最後に呼ばれた和田という男子生徒が出席状況を報告して出席確認が終わる。
「さて、皆さんおはようございます。」
『おはようございます!』
「今日も大きな声で何よりだ。さて、今日は噂にもなっていたが、転入生の女子が俺らのクラスに入ってくる。仲良くするんだぞ?」
「先生、その子って可愛いんすか?」
「どこから来たんすか?俺は博多から来た子だったらいいな~。あそこの方言は可愛いし…」
「静かにしろ!そんなことを考えている暇があるなら勉学に励め!!お前ら、昨年度の期末テストの成績が下位だったんだからな…恥を知れ!」
『はい、申し訳ありませんでした!』
チャラ男二人は声を揃えて北条に頭を下げて謝る。このように謝る時も大声でしないといけない。この軍隊的教育は全てのクラスにて行われているのだ。
「コホン…それじゃあ、転入生のお披露目だ。入ってこい!」
ガラガラ
北条の一声によって転入生が入ってくる。その瞬間、教室内の生徒は凍りついたかのように固まった。そう…彼女は所謂ヤンキー娘なのだ。
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