第1話:意識

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第1話:意識

 私は教師の追及から逃れるために学校を抜け出していた。私は男子高の普通の学生で、特に素行の悪い生徒というわけでもなく、他生徒からいじめを受けているということもないのだが、とある出来事が嫌で学校を抜け出していた。その出来事とはナノコンピューター精神転移、端的に言えば肉の脳からナノコンピューター群で構成される電脳へ意識を移す手術である。  手術への準備はクラスで私一人だけ大幅に遅れている。意識を移す手術を行う年齢は私の住んでいる国において本来自由なはずではあるが、私の住んでいる都市においては高校生の時期に全ての人間の手術を行うのが基本方針となっていた。     
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