冒険の書 1 『その役割が俺ですか?』

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「よし、リクオ、最初はNPCからのクエストを受けよう!」 「クエスト?」 「うん。まぁ任務?タスク?そんな感じ。それを受けてクエスト完了すれば、ゼニと良いブツがもらえるから」 「おい、口調。汚い言葉を使うな」 リクオとモルソンが歩いていると、同じ場所を行ったり来たりして歩いている中年男性と遭遇する。 頭上には『NPC』の文字が浮かんでいる。 「リクオ、コイツはNPCだ」 「お前もう中途半端に口調変えるなよ?」 リクオがNPCに話しかけると、 NPCは慌てたようなしゃべり方で口を開く。 「ああー!この村の近くにいる『ポルポル』と言うモンスターが作物を食い荒らすんだ!誰か退治してくりゅえ〇×…」 「え?」 「……」 「…セリフ噛んだ?」 「ごめん、噛んだ。もっかい、やらして。…ああー!この村の近くにいる『ポルポ…」 「ちょま!ちょ待てよ!」 「え?なんだよキムタクさん?もっかいやらせてよ?」 「いやいやいや!あんたNPCっしょ!?もっとこう、機械的な感じじゃないの?え?そんな人間的なの?」 「ちょっとなに言ってるかわかんない」 「サンドイッチマンやめろ!」 「もう面倒な奴だな。とりあえず『ポルポル』倒せや」 「うわ、腹立つ」 「『ポルポル』を倒したら俺がお前に金と薬草をあげるシステムになってるんだよ。黙って引き受けろよ」 リクオはクエストを引き受けた。 「モルソン、NPCは劇団の人なのか?」 「まぁそんな感じと思っといて。あ、ちなみに引き受けたクエストの概要は、リクオのスマホで見れるから」 「あ、そう言うシステムなの?」 「うん。あと、言わなくてもわかってると思うけど、現実世界には電波届かないから、スマホでメールとか電話しても、使えるのこの世界だけでだから」 「まぁ王道の設定だわな」 「意表をついて現実世界につながる設定でも良かったんだけど、作者がその設定で物語を広げる自信ないからさ」 「もう『メタ発言おしゃべりクソ野郎』だな、お前は」
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