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モルソンは立ち上がる。
「まぁリクオ!そんなワケで冒険に出ようぜ!」
「え、だから面倒だって。オレ別にゲームオタクとかでもないし」
「この世界をクリアしないと元の世界に戻れないぜ!?」
「うわー、出たー、そんな感じかー」
「ちなみに、この世界にいる間は、現実世界の時間は心配しなくていいから。もしクリアできて現実世界に戻れたら、リクオがこの世界に飛ばされる直前の時間に戻されるから」
「え、マジで?じゃあ仕事しなくても良いし休めるから、この世界から出ない方がいいじゃん俺」
「ああー、それダメなんだよね」
「なんで?」
「この『モンスターワールド』には、リクオ以外にも100人以上の人間が転送されて来てるワケよ。んで、この世界のクリア枠は10人まで…つまり元の世界に戻れるのは10人まで」
「マジか!」
「マジよ」
「じゃあ面倒だけど、とっとと冒険に出るかー」
「そうしようぜ?ここでずっと2人のセリフを羅列してても、物語が進まなくて読者が飽きるからさ」
「だからメタ発言すんな!」
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――『はじまりの村』
「うわー、またベタな名前の村だなー。昭和か」
リクオとモルソンは、冒険のスタート地点である『はじまりの村』へと来ていた。
「リクオ、説明しとくね。この村の中にいる人間の頭上に『NPC』って文字が浮かんでたら、その人間はNPC」
「それ今わざわざ説明しなくても、見ればわかるって事じゃね?」
「『NPC』がないプレイヤーは、頭上に名前が浮かんでるから」
「え、そうなの?んじゃ、俺の名前も浮かんでんの?」
「うん。浮かんでるよ。『リクオ(32歳・男・独身・彼女なし・キャッチフレーズ[広告界の狂犬])』って」
「ちょま!ちょ待てよっ!」
「なんだよキムタク?」
「スペックはいらなくね!?しかもキャッチフレーズってなんだよ!?そんな愛称で呼ばれた覚えないぞ!?」
「仕方ないじゃん。仕様なんだし」
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