冒険の書 1 『その役割が俺ですか?』

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ギャーギャー言いながら2人が歩いていると、モンスターを連れたプレイヤーが前方から歩いて来た。 そのプレイヤーの頭の上には『ゲンゾウ(82歳・男・既婚・キャッチフレーズ[盆栽界のガクト]』と浮かんでいる。 「おいモルソン!なんかスゲエじいさんがいる!!」 「ゲンゾウさんの事?」 「なに [盆栽界のガクト] って!?シュールすぎて意味が伝わってこないんだけど!?」 ゲンゾウは杖をつきながら、ゆっくりと歩いてくる。 その横には、四足歩行の犬のようなモンスターを連れている。 …リクオの目の前まで来たゲンゾウは、優しい笑顔で軽く会釈し、通り過ぎ去った。 「おい、モルソン」 「なんだい?」 「年寄りをこの世界に転送すんのはヒドクね?最初から言ってる通り、10代とか20代とかがスタンダードっしょ?」 「確かにそれはウチらもわかってんだよー。10代とか20代の男の子や女の子を登場させた方が、読者も共感するからさー」 「メタ発言いい加減にしろよ?」 「でもねー、そう言う年代は、だいたいが大手に取られるワケなんすよー」 「なんで急に敬語?しかも大手に取られるって…」 「だから、ポケットな感じのモンスターのとことか、デジタルな感じの…」 「ああー!それもう言わなくていいわ!大体わかったから!!」 「まぁこの世界にも若い子は0ってワケじゃないからさ?若くて可愛いネエちゃんもいるから安心してくれ」 「いや、俺そんなつもりで聞いてないんだけど」
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