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何処とも知れぬとある一室。
そこでガダルは報告を受けていた。
「そうか。もう良いお前は計画に集中しろ」
「はっ」
報告をしていた影が消えると、ガダルは一人とある調査の途中に出会った白く美しい少女の事を考える。
ガダル達がスケルトン祭りでハクアに出会ったのは偶然では無い。
グルドが倒された事が伝わりガダルが興味を持ったと言うのが真実だった。
グルドを倒した名も知れぬ白い少女。それに興味を示したガダルは、元々不死の王に付いて調査する予定だった事から、わざわざ予定した人員を別の仕事に変えてまで自ら調査に乗り出し、人間の振りをしてハクア達の監視をしていたのだ。
グルド達の調査は、あの鉱山の奥深くに封印されている筈の不死の王の封印を解き、可能ならば仲間に加える。もしくは暴走させるのが目的だった。
だが、いざ鉱山に侵入して最下層まで降りてみても、ダンジョンと化した鉱山の魔力の発生源は見付けたが、それ以外何の手掛かりも見付ける事が出来なかった。それ所か自分達を狙うボス型モンスターまで出る始末だった。
実はこの時ガダルが見付けたのは、クーの魔力を吸収した後に魔力をダンジョンに行き渡らせる為の要の部分だった。
そうとは知らず、そこに魔力を流し込み調査をした為に、クーはその逆流して来た魔力を使いガシャドクロを産み出したのだった。
(ボスモンスターを出した後は、ここで死人が増えれば魔王に何らかの変化が起きるやもと放置したが、 あの時は、まさか出現させたガシャドクロを倒しトップ争いに食い込んで来るとは思わなかった)
結果として目論みは知らぬ間にハクア達に崩されたが、そのお陰でハクア達の実力を知れたのは大きな収穫だった。
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